座禅の重要点


◯ 坐禅は五感を開放する  気に入ろうと気に食わなかろうと聞こえる 見ようと思わないのに見える

◯ 思いは取り上げない(相手にしない 考えない 思いが自然に起こるのは構わない)

◯ 空になろうとしない、悟ろうと思わない


坐禅は、五感に任せきること

▷静かにして六感に任せてごらんなさい。
心の方は災いし易いからこれを別として、後の五感そのものヽ働きをみて御覧なさい。

五感全体は環境と共にいやおう無しに、如何しても環境の動く通りに、知らぬうちに、一緒になって動くように出来ている。

初めから人を離れておるんです。

本当に自分自身の真相は、今その様にうまく出来上っておる。
―井上義衍『牛頭法融禅師心銘』p.41


空になろうとするのは違う

▷空にならにゃならんと思うて、心経などに空、空とあるもんじゃから、本当に空でなきゃあならんと思うて、なることを一生懸命工大しようとする。そういうことをする為にかえって出来ないのです。

じゃからなろうとすることを止めると、本当に空そのものに根本的に徹するという事が有り得るのです。
―井上義衍『牛頭法融禅師心銘』p.67



自分の好き嫌いなく聞こえるし、見える、それが真相

▷皆さん、一切を手放して素裸になって、自分の全体を正直に放り出して六感に任せ切ってごらんなさい。
「森羅一相」とあるでしょう。日常の生活がその通り内外なき一合相です。


耳で云えば、声が聞こえるのに、気に入った声、気に入らぬ声、そんな事に関係ないのです。

矢張り「森羅一相」です。

人間的には気に入る、いらんと云うけれど、耳そのものは一相です。ちゃんとしているのです。

初めから人と物との関係は何時でも何処でも矛盾せん様に出来ているのです。

―『牛頭法融禅師心銘』p.44