座禅の組み方・坐禅の方法・坐禅の仕方ー悟りの体現者・井上貫道老師
坐禅中は、かならず目を開けます
道元禅師は、「目は常にすべからく開くべし」
「常に」 と 「すべからく」ですから、
「坐禅中は目を開けなさい亅とかなり強く言われているわけです―井上貫道老師
(正しくは坐禅であって、座禅ではありません 坐は動詞、座は名詞です)
『普勧坐禅義提唱』ふかんざぜんぎていしょう に基づいて
まずは身体の整えかたから。by 少林寺・井上貫道(いのうえかんどう)老師
[ 禅堂には、時計やスマホはもちろん自分の荷物は持って入れません。
また坐禅をする禅堂とトイレでは会話をしてはいけません
禅堂と東司(とうす=トイレ)と浴司(よくす=風呂場)とは三黙道場と言って、会話をしてはならない場所です
禅堂に入る前に、夏冬かかわらず、靴下は脱いでおきます
禅堂に入ったら、一歩進んだところで一礼してから叉手(しゃしゅ)で、坐禅の場所である「単(たん)」までゆっくりと進みます この時、聖僧(しょうそう)様と堂頭老師(どうちょうろうし、壁に向かわずこちらを向いて坐禅されている)の前は横切ってはいけません]
●「袈裟けさを掛かくべし」と書かれてありますが、ビジネスで喩(たと)えれば背広を着てネクタイを締めるってことです。正装ということです。だらだら坐らないこと。それが心に影響するからです。在家得度(とくど)されている方なら絡子(らくす)を掛けます。
お坊さんが袈裟をつけて坐禅をするということは最高の服装で坐禅をしているということです。
在家の人も、たとえばデートをするという時には最高の服装をなさるでしょう。
ですから、坐禅をする時は、身体も清めて、清潔な服装をする必要があります。
[投稿者:ここでは触れておられませんが、一般の人がお寺や道場で他の人と坐禅する時は、黒や紺などの地味な、目に障りにくい色が良いとされています 黄色や赤、しま模様は目にチカチカすることがあり、おすすめではありません]
●坐蒲(ざふ、ざぶ)
坐蒲は前半分を使います。真上からどっかと座るのではありません。 尾てい骨が坐蒲の中心に来るぐらいに坐ります。
●結跏趺坐と半跏趺坐(けっかふざ、はんかふざ)
冬でも靴下・ストッキングは脱いでおきます
どちらも正式な形です。半跏趺坐が略式だと思われがちですが、そうではありません。どちらも正式です。
両ひざと尾てい骨、頭で三角錐になります。120°ぐらいの一番安定する角度で足を組みます。
結跏趺坐で両方の足を組めばそういう形になりますが、半跏趺坐だと片方の膝が浮く場合もあります。
身体が硬いとそうなります。膝が上がりすぎるようなら何かそこにかませれば安定するでしょう。
あぐらは坐禅にはなりません。第一長時間組めないですよ、あぐらでは。
何千年の歴史を経て、結跏趺坐とか半跏趺坐が坐禅に最適だと立証されて来ているんです。
[怪我などで]足が組めない人は他の形でもかまいません。西洋の人などは椅子でやっているような場合もあります。
足が無い人だって、それなりの形で坐ってもらえればけっこうです。
足は腿の上まで上げて、足の裏が見えるようにします。ふくらはぎの上ですませている人がいますが、腿(もも)の上まで上げます。
外国から来た人は、真剣だから、脚が痛くても結跏趺坐や半跏趺坐を組んでいますよ
[あぐらで済ませてはいけません 膝を傷めてしまいます 一番膝に良いのは結跏趺坐です]
●服
ぴったりしたズボン等は体を締め付けますから、なるべく避けます。逆に和服の場合はゆったりしますが、衣服が広がり過ぎて隣の人に迷惑をかけないようにまとめてください。
[在家修行者の正式な服装は、和服に袴(はかま)ですが、貫道老師の坐禅会ではほとんどいません]
●法界定印(ほっかいじょういん)
よく、指の組み方がいかにも坐禅の本質にせまるようなことを言われていたりしますが、そんなことは全くありません。
指の組み方が気になっているような状況ではまともに坐禅ができません。
自然に手を組めば自然に落ち着く場所があるでしょう。
法界定印がちゃんとたまご型になっているか、一度そのまま手を目の高さに持って来て、確認して下さい。
組んだ手は体に沿って静かに下ろした位置に置きます。あまり身体から離して前の方に置くと、筋肉が緊張しがちです。
時々、腕が宙吊りになっている人がいますが、それは肩に力が入っているからです。
肩から力を抜いて、法界定印を組んだ脚の上においてください。
それでも、まだ腕が宙吊りになる人がいますが、それは腕が短いからです。
その場合は、組んだ脚の上にタオルなどを置いてその上に法界定印を載せるようにすると安定します。
●口
普通に口を閉じてください。そうすると舌が上あごに付きます。少し舌には力が入っていますかね。
力が完全に抜けていると上あごに付かないですね。
気力がなくなっているかどうかというときに大事なことです。また、気の抜けたように口を開かないこと。
●目
坐禅中は開けています。
目を閉じていると、目の前のことが見えなくなり、代わりにいろんなことがいっぱい想起されてきます。真実を見極めようとしているのに、想像の世界で見極めようとすると、あやまちが多くなります。
目を開いていると、必然的に頭の中に思い起こされることが休まるようにできています。「妄想」というものが起こりにくくなります。また眠気も起りにくいです。
そして前方45度、1mぐらいの所に視線を落とすと、自然に半眼になります。
「目を開けると言っても、一点を見つめるのではないですよ。
どこかに焦点を合わせるのではありません。」
●法界定印が崩(くず)れていないか、舌が上あごについているか、目が開いているかの3点セットが、気が抜けていないかのポイントになります。
【閑話休題】
自然な坐禅をしたら、3日間ぶっ続けで坐禅できた人の体験談はこちら
●欠気(かんき)
形が整ったら、口をわずかに開いて、息を全部吐(は)き切ります。吐き切ることが大事です。吐き切れば自然に空気が入ってきます。これを2~3度やると、形を崩さずに身体の緊張が取れ、坐りやすくなります。
坐禅中は、あとは呼吸は意識しません。
息を整えたり、数息観も不要です。
呼吸を意識しないのが、呼吸が整っているということです。
●左右揺身(さゆうようしん)
両手を両ひざの上に仰向けて起き、身体を左右に、最初は大きく、徐々に小さく揺らしていき、身体を緩めます。最後に真ん中で静かに坐ります。
このとき大事なのは、肛門の括約筋をきちっと締めることです。足を開くと肛門も開くため、そのまま坐ると痔になりやすいですから、きちっと締めます。「痔じ」って、やまいだれに「寺」ですね。お坊さんが痔になりやすかったってことでしょう。
坐禅を解く時は、両手を両ひざの上に仰向けて起き、身体を左右に、
今度は、最初は小さく、徐々に大きく揺らしていき、身体を緩めます。
こういった左右揺身も、本当の修行者はないがしろにはしません。ちょうど、一流のプロ選手が基本を大事にするのと同じです。ベテランになったからと言って、やらなくて良いというものじゃありません。
●兀兀(ゴツゴツ)と坐る
山がドシンと坐ってるように、どっしりと坐ります。
舌を上顎つまり硬口蓋につけるようにすると、呼吸も口呼吸ではなくて、鼻呼吸となります。
免疫力も向上するという臨床例が上がっているようです <--ここまで管理人>
座禅作法を教える曹洞宗の図解入りホームページ
以上が、座禅の組み方(外見)の基本ですが、
大切なのは、どのように坐禅中を過ごしているか、その内容です
道元禅師によれば、内容によって、
「毫氂も差あれば、天地懸かに隔たる」 (普勧坐禅儀)
髪の毛一本も差があると、天と地とくらいに隔たりが出てくる
と言われています。
貫道老師
「(坐禅中、どのように時間を過ごしているかに話題を戻される。)
ものすごく嫌がる話題ですね、これね。(笑)
参禅会に来てて、一番、たぶん、触れられたくないところ、誰も。
参禅会に来てて、一番、たぶん、触れられたくないところ、誰も。
だから、坐禅があんまり本当に効果が上がらないのは、それが一番、元かと思うな。
分かったような顔して坐ってるだけ。
それらしい格好して坐ってるだけ。
本当はそこらへんが十分に理解が行かないまま坐ってる。
それ、長くやって苦労した人、話してごらん、聞いてごらん、きっとそうだよ。(笑)
そこが分からなくて時間がかかるんだよ。
分かったような顔して坐ってるだけ。
それらしい格好して坐ってるだけ。
本当はそこらへんが十分に理解が行かないまま坐ってる。
それ、長くやって苦労した人、話してごらん、聞いてごらん、きっとそうだよ。(笑)
そこが分からなくて時間がかかるんだよ。
で、そういう話題を提供してくれないもん、なかなか。坐禅をするったって。
坐禅の内容、坐禅中にどうしたら良いのかについては、下記をご覧ください。気に入ったタイトルだけ読まずにすべてお読み下さい。
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